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前ＣｌｕｂＮＶＡを贔屓にして頂き有難うございました。
前ＨＰ管理人より管理及び運営を引き継ぎました西部方面奇行師団長と申します。
ＨＰの管理運営上の問題により新たなＵＲＬの取得と移転に伴い各コンテンツの改訂と変更を行いました。
前管理人同様よろしくお願い致します。

１９８９年以降の冷戦の終結に伴う社会主義体制の崩壊はその構成国家のみならず
イデオロギーや社会体制の劇的変化をもたらしました。人心もしかりです。
軍装業界においても崩壊した国々の軍装が非常に安価に入手可能になりました。
その最たるものが東ドイツの軍装です。
中田商店等で大量に放出されるその軍装類は最初マニアに。次いで旧ドイツの代用服。
そして街着としてさらにコスプレ衣装の素材。
最後にはレゲエのおじサン達の防寒服となりました。
はっきり言いまして東ドイツ軍装は資料となる情報が非常に少ない中で物だけが溢れる状態となったわけです。
おかげでマニアには安物服や素材としての評価しか受けない物となってしまいしました。
そのため６０年代の詰め襟服や残存数希少な服類も日本にて失われることとなりました。
非常に残念です。

そこでちょっとでも東ドイツの軍装を調査研究してやろうと思っていた時に行き当たったのがこの前ＨＰでした。
その管理人が立ち上げたころより一部参加しながら最終的に引き継いだがこのＨＰです。
この作業をやり始めて思ったことは「奥が深い」の一言でした。
しかし私がはじめた頃より東ドイツの軍装に関する知識はある程度解るようになり
これから東ドイツをはじめる人達に少しでも解り易く理解して頂くことが私達先に始めた人間だと思い運営することとなりました。
とかなんとかもっともらしく書きましたが根がいいかげんな私ですからいつまで続くやら。

ちなみに私もドイツ語は全然わかりません。
参考書籍や資料が全てドイツ語で書かれておりますので政治用語等の日本語訳に独和辞書を片手に悪戦苦闘しています。
なので、私が書いていることを鵜呑みにせず、まずは疑ってかかった方がよいでしょう。（笑）
百の嘘の中に一つの真実を見つけることとそれを活かすかは受取り側のこのＨＰ参照者達です。
また、ドイツ語に詳しい方や東独軍装備に詳しい方がこのページをご覧であれば是非、ご指摘を願いたいと思います。
表現や職種、階級などは特に間違いやすいと思いますのでよろしくお願いいたします。

NVA最盛期の構成

陸軍　約116,000人（兵役義務者約67,000人）
海軍　約14,000人（兵役義務者約10,000人）
空軍（防空軍）約37,000人（兵役義務者約15,000人）
国境警備隊　約54,000人（兵役義務者あり）
国家保安省　警備連隊約5,300人

国防１９８８年１２月号　越智尚氏著より　

東ドイツ陸軍　（　ドイツ民主共和国人民軍地上軍　）

　第二次大戦後、ドイツは東・西ドイツに分割され、ソビエトの占領下に入った東ドイツは一時まったく武装を

解除されたが、終戦直後には人民警察が創設され、１９４８年７月には人民警察組織の中に、将来の新国軍

編成に必要とする基幹要員（将校）を教育する機関として、特別国境警備隊が設けられ、緊急時にはこれらの

要員によって再軍備に必要な基幹部隊を編成する準備が行われた。

　一方、ドイツ連邦共和国（西ドイツ）がＮＡＴＯ軍への参加という形で再軍備への動きをはじめたのに対して

１９５５年９月２２日、東ドイツ首脳部は「東ドイツは祖国防衛のための軍隊を創設する」と発表、憲法の改定

によって祖国及び労働者の権利を守ることは「名誉ある人民的義務」であるとして、翌５６年１月、人民警察を

人民軍に改編、国防省の創設とともに志願兵制を施行した。

　また、西ドイツ国防軍のＮＡＴＯ軍への編入に対抗するため、人民軍をワルシャワ条約統一軍に編入するこ

とが決定された。

　新編成の人民軍の編成は、陸・海・空軍を合せて１２０，０００名であり、その後ソビエトの要求で９０，０００名

に縮小したが、１９６１年９月、ドイツ民主共和国々防法によって志願兵制から徴兵制に移行し、プロシア陸軍

の伝統を継承する精強な人民軍が造り上げられた。

　陸軍は８９，０００名、北部軍団（司令部はノイブランデン）と南部軍団（ライプチヒ）よりなり、主力は４個自動

車化師団、２個戦車師団、２個重地対地戦術ミサイル旅団、２個砲兵連隊、２個対戦車大隊および１個空挺

大隊で、２つの軍団は、それぞれ２個自動車化師団、１個戦車師団、１個砲兵連隊、１個高射砲連隊、１個対

戦車大隊および軍団兵站管理部隊で編成され、全てソビエト式の編成を採用している。

　東ドイツは、１９６８年のチェコスロバキア事件には兵以来、１９７５年のソ連・東ドイツ友好協力相互援助条

約による出動義務によって、アフリカ南西部のアンゴラ人民共和国とモザンビーク人民共和国に軍事顧問団を

派遣し、ワルシャワ条約軍では最も重要な役割を担っており、また東ドイツ軍だけはドイツに駐留するソビエト

の軍集団司令部の指揮、統制下にあった。

　東ドイツ陸軍の主要装備は、２５００両のＴ５４／５５戦車、１２０両のＰＴ７６軽戦車、１５００両のＢＭＴ戦闘兵

車、ＢＴＲ５０Ｐ、ＢＴＲ６０Ｐ及びＢＴＲ１５２装甲兵車、８８０両のＢＲＤＭ１／２装甲偵察車およびハンガリー製

ＦＵＧ６６装甲偵察車、３３５門のＤ３０　１２２㎜長留弾砲およびＭ１９５５　１２２㎜カノン砲、１００門のＭ１９５４

１３０㎜カノン砲、７２門のＭ１９５５（Ｄ３０）１５２㎜留弾砲、２５０門のＭ１９４３　１２０㎜重迫撃砲、１０８基の

ＢＭ２１多連装２１０㎜、ＲＭ７０多連装１２２㎜ロケット発射機、２４基のフロッグ７および１６基のスカッドＢ戦術

ミサイル、１３０門のＭ１９５０（Ｓ６０）５７㎜高射砲、６５門のＭ１９４９（ＫＳ１９）１００㎜高射砲、１０５両のＺＳＵ

２３－４対空砲車、その他に多数のＭ１９５５　１００㎜対戦車砲、サッガー、スナッパー対戦車ミサイルおよび

ＳＡ４／７地対空ミサイルなどが装備されている。

自動車化師団の推定兵力１２，０００名、戦車戦力は２１５両、各種装甲戦闘車両は４８１両。戦車師団の推定

兵力９６８３名、戦車数は３０７両（ＰＴ７６×２２両を含む）、各種装甲戦闘車両は２９８両。重地対地戦術ミサイ

ル旅団の推定兵力は１６３２名、ＳＳ１重地対地戦術ミサイル・スカッドＢを８基、ＭＡＺ５４３自走ミサイル・ランチ

ャーを８両。独立砲兵連隊の推定兵力１０５７名、各１８門の１２２㎜、１３０㎜カノン砲および１５２㎜長留弾砲を

持っている。高射砲連隊の推定兵力は６００名、１２両のＺＳＵ２３－４対空砲車、５４門の５７㎜高射砲、２４門の

１００㎜高射砲および６基のＳＡ４重地対空ミサイル・ガネフを持っている。また、独立対戦車大隊の推定兵力は

推定兵力３００名、１２門の１００㎜対戦車砲および９両のＡＴ２搭載のＢＲＤＭ１自走対戦車ミサイルを持ってい

る。

以上　ＰＡＮＺＥＲ　１９７９ＭＡＹ／№４７より

東ドイツ海軍その生い立ち

東ドイツ（正しくはドイツ民主共和国だが以下東ドイツと略称）海軍の歴史は、ソ連占領下の１９５０年に始まると

いわれる。この年の６月１５日に、東ドイツ政府は人民警察隊（ＫＶＰ）の一環として、中央政府会場警察隊

（ＨＶＰ）を創設したが、その組織、制度ともに軍事的性格が強く、小規模ながら東海の沿岸警備を目的とした

海上部隊であった。、この時、教育訓練用の小艦艇がソ連から提供されたが、まもなく国内の造船所で小型の

掃海艇や哨戒艇の建造に着手し、また沿海に沈んでいる旧ドイツ海軍小艦艇の引き上げなども行われるなど

艦艇の増強が開始された。１９５４年頃には、人員６００名、掃海艇隊１（１００ｔ型掃海艇８隻）、沿岸警備隊３

（１８ｔ型哨戒艇１８隻）、敷設艇２隻、その他船舶４０隻を擁するまでに成長した。が、やがて１９５６年１月に、

国家人民軍ならびに国防省設置法が公布されるに及んで、名称も国家人民軍海上部隊（ＮＶＳ）と改められ、

正式に東ドイツ人民軍の会場兵力として認められることになった。同じ月に東ドイツ人民軍はワルシャワ条約の

東欧統一軍に加入している。この結果、かねて進められていた艦艇整備とも相まって兵力は急激に増強さ

れた。新発足の東ドイツ官軍の兵力は護衛艦２隻、掃海艇、哨戒艇など約５０隻といわれ、兵員は１万人に

達した。このとき、ＮＶＳの旗艦を勤めたのが護衛艦エルンスト・テールマン（１，０５０ｔ）である。その前身は

１９２８年建造のデンマーク海軍スループ・プピュアネンで、大戦中ドイツ海軍に接収され、哨戒艇として使用

された時代もあったが、この際数年かけて兵曹装や缶の換装を含め近代化されて再就役したもので、

士官候補生の練習艦も兼ねていた（本艦はアルビン・ケービスと改名１９６８年に除籍された）。この頃には

国産の５００ｔ級の施設掃海艇や小型の掃海艇、哨戒艇が続々と就役しており、１９５７年３月には最初の

観艦式がバルト海で挙行されるまでになった。

東ドイツ空軍その生い立ち

空軍の歴史は、ソ連占領下のＫＶＰの航空部門に始まるといわれる。

東ドイツ政府は建国時より人民警察隊（ＫＶＰ）の一環として、航空部門を創設。ソ連よりの航空機　ＭＩＧ-１５や

Ｌａ-５の供与を受け航空警備を目的とした部隊であった。

東ドイツ国境警備隊の生い立ち

東ドイツ軍のその後

東ドイツのドイツ連邦への吸収合併に伴い東ドイツ軍はドイツ連邦軍への編入されることとなった。

よって一時的にせよドイツ連邦軍はＮＡＴＯ加盟国中最大の軍事国家となったのである。

しかし、おりしもソ連崩壊により冷戦構造の終結を迎え東ドイツの莫大な債務、東側の復興や駐留ソ連軍の

ドイツ国内よりの撤退費用の負担等、莫大な財政負担とフランス等の他ＮＡＴＯ加盟国の圧力により連邦軍の

大幅な削減が実施された。（旧東ドイツ側は既に１９９０年の軍縮省の時代より人員の削減を実施していた

旧ＮＶＡ将官、佐官のほぼ全員。尉官の１／３の退役。）さらに連邦軍全体の兵員、装備の大幅削減である。

当然ながら既に旧式となった兵器装備やＮＡＴＯ規格と異なる旧ＮＶＡの物が削減の対象となった。

大型装備品の多くはドイツ国内法や近隣諸国に配慮し友好国や非交戦国に無償での国際援助や大幅な

値引きで売却されることとなった。また戦術戦略誘導兵器は破棄対象となった。

以下は売却もしくは供与された具体例である。

海軍の艦艇ミサイル艇や哨戒艇は広い沿岸地域を持つインドネシアへ売却。
比較的新しいＢＭＰ等の兵員輸送車はトルコへ。
ＳＵ－１５２自走砲は同じ東側兵器体系のフィンランドへ。
なぜか比較的新しいＴ－７２ではなく旧式のＴ－５５、５４は再建カンボジアへ。
Ｍｐｉ（ＡＫ）突撃銃はアメリカ等を経由して占領イラクへ供与。
ＭＩＧ－２１、２３は近隣諸国の博物館アイテムへ（それでも放置機体多数）
ＭＩＧ－２９はロシアでオーバーホールの後、２００５年ポーランドへ。